【ビギナー向け】Bluetooth「プロファイル」「バージョン」「コーデック」って?
「プロファイル」「バージョン」「コーデック」って?
Bluetoothイヤホンを購入するとき、パッケージに印刷されたスペック表に「???」となる方は少なくないのではないでしょうか。
スペック表には「プロファイル」「バージョン」「コーデック」など、普段の生活で聞きなれない言葉が並んでいます。
見慣れない表記を目にすると不安になりそうですが、意外に簡単なことだったり、実は気にしなくても良い項目もあったりします。
今回は「ビギナーさんの購入時にお役に立てる事」を目的に各用語を簡単にご説明いたします。
スペック表を見ながら当記事をお読みいただくと分かりやすいかもしれません。
対応プロファイルって?
対応プロファイルとは「〇〇の機能をワイヤレスにできる」事を表しています。
Bluetoothイヤホンに多く見られるのは下記のプロファイルです。
A2DP:ワイヤレスで音楽、音声(動画やゲーム等)を聞くことができる
AVRCP:ワイヤレスでリモコン操作ができる(曲送り/戻し、再生/停止、音量)
HFP:ワイヤレスで通話ができる
HSP:ワイヤレス通話と「着信を受ける」「電話を切る」操作もワイヤレスでできる
SPP:簡単なデータ通信(←あまり気にしなくてもOK)
BluetoothイヤホンにはA2DP(音楽・音声を聴く)はほぼ搭載されます
ただし通話専用のヘッドセットには搭載されない事もあり、その際は音楽は聴けませんのでご注意。
加えて、リモコン操作をしたい場合はAVRCP、通話をしたい場合はHFPかHSP、それぞれの表記があるモデルにするとよいでしょう。
※上記プロファイルは現在のイヤホンほとんどの機種に搭載されています
Bluetoothバージョンって?
Bluetoothが生まれたのは2000年頃、それから大きな進化をするたびにバージョンナンバーの数字が増えています。
現在販売されているイヤホンはBluetoothバージョンが4.0~5.3の製品です。
スマホ側もiPhoneなら4S(2011年発売)以降はBluetoothバージョン4.0に、iPhone8(2017年)以降はバージョン5.0に、iPhone14はバージョン5.3に対応しています。
Bluetoothはバージョン4.0以降には互換性があるので、スマホとイヤホンのBluetoothバージョンが異なっていても問題なくご利用頂けます。
従いまして、2010年以前のスマホを使っていない限り、一般的に販売されているイヤホンへの対応には問題はないと考えてよいでしょう。
Bluetoothバージョンの数値が大きいと電力消費が小さくなり、通信安定性が向上する傾向にあります。
バージョン4.0以降の機種であればBluetooth通信によるスマホとイヤホン側の電力消費が非常に低く抑えられています。
Bluetoothのバージョンは音質にほぼ影響がありません。
音質はコーデックとドライバー(イヤホンの中の音を鳴らす部品)の性能に左右されます。
コーデックって?
Bluetoothイヤホンは、スマホ側で音声をデータに変換&圧縮 ⇒ Bluetoothで通信 ⇒ イヤホン側でデータを音に戻して耳に届けます。
この「データ圧縮~音に戻す」までの一連の作業の方法をコーデックと呼びます。
コーデックには複数の種類とそれぞれに特性があります。
コーデックごとの大きな違いは「音質」と「遅延(動画やゲームに影響)」。
お持ちのスマホに対応していて自分のイヤホンの使い方にマッチするコーデックを搭載したイヤホンを選ぶのがコツです。
一番ベーシックなコーデックであるSBC以外の上位コーデックを使いたい場合はスマホ側もイヤホン側も同じコーデックに対応している必要があります。
※イヤホン側に上位コーデックが搭載されていてスマホ側は上位コーデックに対応をしていない場合は自動的にSBCコーデックで接続されます。
この状況では上位コーデックの特性は発揮されませんが視聴には問題ありません。
主な音声コーデックの種類
SBC:どんなスマホやワイヤレスイヤホンも対応する普通のコーデック 遅延は約0.2秒
AAC:SBCより音質が良く遅延も約0.1秒に半減するコーデック
← iPhoneならAAC対応がおすすめ
apt-x:主にAndroidに搭載されている上位コーデック、SBCより音質が良く遅延も0.07秒と少ない
apt-xHD:ハイレゾレベルの高音質、遅延は0.1秒とSBCより少なく(データ量が多い分)aptxより多い、Android上位機種を中心に搭載されるコーデック
aptxLL:低遅延に特化したコーデック、音ゲーや動画にも十分に使える約0.05秒の遅延の少なさで音質はapt-xと同等、Androidの一部の機種、ゲーム向けを打ち出すイヤホンに搭載される事が多い
aptxAdaptive:aptxの進化版、aptxより高音質で遅延は約0.06秒、Android上位機種を中心に搭載される新しいコーデック
LDAC:SONYさんが作った高音質が特徴の音楽向けコーデック、AndroidではSONYの機種を中心に搭載されています
スマホ側に搭載されるコーデックをチェックしましょう
iPhone:SBCとAACの2種類にのみ対応 iPhoneユーザーはAAC対応イヤホンを選ぶとよいでしょう
Android:SBCに対応、apt-xなど上位コーデックへの対応は機種によって異なります
Androidの場合はお持ちのスマホが対応するコーデックを確認した上でイヤホンを選ぶと良い選択ができるでしょう。
スペック表には他に
「出力:Bluetooth class2」
「使用周波数帯:2.4GHz帯」
「マルチペアリング」
「マルチポイント」といった表記も見られます。
こちらも簡単にご説明いたします。
出力 Bluetooth class〇 最大通信距離
classの数値が電波の出力パワーclassを指し1-3までの三段階。
classは通信距離と安定性に影響するのですが、国内で流通するほとんどのイヤホンが「class 2」でおおよそ見通し10mの無線通信が可能です。
イヤホンならclass2の記載であれば問題ありません。
最大通信距離は「見通し(壁やドア、曲がり角が無い)」を前提としているので、屋内ではもう少し短くなります。
使用周波数帯
Bluetooth機器は全て2.4GHz帯の表記なので気にしなくても問題ありません
マルチペアリング
イヤホンが今までにペアリングした機器(スマホ)を何台まで覚えていられるか?の数。
例「マルチペアリング8台」→過去にペアリングした8台までの機器までは覚えているので、一度ペアリングした8台とは再ペアリング操作をしなくても再接続ができます。
こちらもスマホ複数台やスマホとゲーム機、PCなど複数機器への接続を考えていない場合は気にしなくてもOKの項目。
ですがほとんどのBluetoothイヤホンはマルチペアリングに対応しています。
マルチポイント
同時に複数台の機器との接続を維持できる機能。
例「2台のスマホとマルチポイント接続している場合」→1台のスマホの音楽を視聴中に別の1台との接続も維持、2台目に着信があれば1台目の音楽を再生中でもイヤホンに通知が届き、ボタンを押すと着信を受けて通話ができます。
※2台の音楽を同時に聴いたり、2台の着信を同時に通話したりはできません。
Bluetoothイヤホンのスペック表に見られるややこしそうな表記ですが、それぞれの意味や重要性を簡単にでも理解できるとイヤホンが選びやすくなります。
イヤホン売場で困ったときにこのページを開いてみて下さい。
※最後までお読みいただきありがとうございました。